歯周病菌・虫歯菌PCR 検査 Perio Navi

唾液で測る歯周病リスク 手軽でかんたん細菌検査キット「ペリナビ」

歯周病菌・虫歯菌について

重度の歯周病菌群(Red Complex)

ポルフィロモナス・シンジバリス(P.g菌):40歳以降の成人の多くが罹患する慢性歯周炎の歯周局所から分離されることが多い細菌です。偏性嫌気性の(酸素のある環境では⽣育できない)細菌で、糖を栄養源として利用できず、もっぱら⽣育域にあるタンパク質を分解して栄養源としています。そのため、強力なタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を菌体表面や菌体外に分泌します。

トレポネマ・デンティコーラ(T.d菌):歯周ポケットの深い部分に存在することが多いです。歯周組織に対する感染や炎症の原因となることが知られています。歯ぐきの腫れや出血、さらには歯槽骨の破壊に繋がることもあります。歯周ポケットの低酸素状態で増殖し、他の病原菌と協力して炎症を促進します。

タネレラ・フォルサイシア(T.f菌):歯周ポケットで繁殖する歯周病原菌のひとつです。病原因子として、トリプシン様プロテアーゼ、シアリダーゼ、BspA、ヘマグルチニン、などが知られています。 特に、BspAはタネレラ・フォルサイシアが持つ分泌型のロイシンを多く含むタンパク質で、歯肉上皮細胞への付着活性を持っています。また、これはフソバクテリウム・ヌクレアタムとの共凝集に関与しています。

軽中度の歯周病菌群(Orange Complex)

プレポテラ・インターメディア(P.i菌):妊娠期の女性や喫煙者に多く見られ、歯肉炎から歯周炎へと進行させる可能性があります。歯ぐきの腫れや出血、口臭の原因となります。また、他の病原菌と共同して炎症を強化し、歯周組織の破壊を加速させます。


フソバクテリウム・ヌクレタム(F.n菌):口腔内の常在菌ですが、歯周病の一因となることに加え、ケモカイン(細胞間の相互作用を媒介するタンパク質)を介して食道がんの進行に関わることが報告されています。また、妊婦の子宮内に感染し炎症を引き起こし、早産や流産の原因となります。硫化水素産⽣酵素を持つため、アミノ酸の一つであるシステインを分解して口臭の原因となる硫化水素を⽣成することが知られています。

軽度の歯周病菌群(Blue Complex)

アグリゲティバクター・アクチノマイエテムコミタンス(A.a菌):若年層の急激な歯周組織の破壊(侵襲性歯周炎)と関連しています。歯周病の進行を促進する強力な毒素(特にロイコトキシン)を産生し、歯肉の細胞や歯槽骨を破壊することが知られています。このため、歯周病が進行すると、歯がグラグラになり、最終的には歯の喪失につながることもあります。歯周病の進行において、他の細菌と協力することで、歯周ポケット内の環境をより有害なものに変え、炎症を悪化させる効果を持ちます。この細菌の存在は、歯周病の診断や治療において特に注意を要するため、定期的な歯科検診と適切な治療が重要です。

虫歯菌

ストレコプトッカス・ミュータンス:特に歯垢(プラーク)内でよく見られる細菌です。糖分を分解して酸を生成し、歯の表面を覆うエナメル質を溶かします。この酸の働きにより、歯の表面に小さな穴や溝が生じ、虫歯の原因になります。分を摂取した際に他の細菌と協力して歯垢を作り、歯に粘着性のバイオフィルム(細菌の集合体)を形成します。このバイオフィルムが酸性環境を維持し、エナメル質を溶かすことで虫歯の進行を促進します。虫歯の予防には、食後の適切な歯磨き、糖分の摂取量の制限、歯科医による定期的なチェックアップとクリーニングが重要です。フッ素を含む歯磨き粉や洗口液も、エナメル質を強化し、ストレプトコッカス・ミュータンスの働きを抑えるのに効果的です。

参考文献

Periodontology 2000, vol. 42, 2006, 180-218.  Teles, Haffajee, and Socransky.  Microbiological Goals of Periodontal Therapy.

J Periodontol, vol. 88, 2017, 1066-1089.  Lafaurie, Sabogal, Castillo, et al.  Microbiome and Microbial Biofilm Profiles of Peri-Implantitis: A Systematic Review.

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